【断り文句の例】
(1)すでに他社とつき合いがある
(2)価格が高いという印象がある
(3)忙しくて話を聞いていられない
(4)不景気で予算がない
(5)いまは検討していない
(6)親戚/知人が買っているから、必要ない
(7)満足していて何の問題もない
(8)興味がない
(9)どこで買っても一緒
(10)買ったばかり
ポイントは、
「話を聞くだけの価値がある」と思わせること
お客さまの断り文句の真意は、
【1】「メリット(価値)を感じていない」
【2】「話を聞くのが面倒くさい」
この2つに集約されます。これこそが、お客さまの言葉の裏にある本音なのです。ゆえに、お客さまの「言葉」(断り文句)に反応するのではなく、お客さまの「本音」に対して切り返さなくてはなりません。「時間を取る価値がある」「話を聞くだけのメリットがある」と思わせれば、継続的なアプローチにつながります。
では、どうすれば、相手の本音に反応することができるのでしょうか?
拙著『トップセールスには、なぜ「いいお客さま」が集まってくるのか』にもありますが、断り文句を突破するための「5つの切り返し法」をご紹介します。
・切り口(1) 視点を切り替える
お客さまの考え方以外にも、別の見方、別の考え方ができることを気づかせます。たとえば、「価格が高い」と断られたときに、
「確かに初期費用はかかりますが、商品サイクルと維持費用を考慮すれば、3年後には割安になります」
と切り返したなら、お客さまの視点は「初期費用」から「維持費用」へと切り替わるでしょう。
・切り口(2) 解決策を示す
「価格が高くて予算がない」と言われたら、
「こういうプランもあります」
「ご予算に合う商品(サービス)があります」
と、別の解決策があることを示します。
・切り口(3) 買わないリスクを伝える
人間は失敗を恐れる生き物です。そこで、
「この機械を導入されない場合、電気代を月々これだけご負担いただくことになります」
と購入しなかったときのリスク(デメリット)を具体的に伝えます。
・切り口(4) 買うメリットを強調する
「この機械を導入されると、電気代が月々これだけ安くなります」
このように購入したときのメリットを具体的に伝えます。「リスクはゼロではないし、価格も高い。しかし、リスクを補って余りあるメリットがある」ことがわかれば、お客さまも興味を示してくれるはずです。
・切り口(5) リスクを分割する
たとえば、お客さまが「機械を変えてしまうと、製品の品質まで変わってしまうのではないか」というリスクを感じているとします。こうしたリスクは漠然とした不安でしかありませんから、段階ごとに切り分けて考えてみるといいでしょう。
「どの時点で、どの程度のリスクが生まれるのか」「そのリスクにはどのように対処すればいいのか」を提示できれば、お客さまも「それほどたいしたリスクではない」と納得していただけます。
以上が「5つの切り返し法」です。繰り返しになりますが、大切なのは、お客さまの「言葉」(断り文句)ではなく、お客さまの「本音」に対してどうアプローチするか、ということなのです。