専門家ではないけれど、日本の大企業は肌で感じる程、成り下がってきていると思う。
ここ30年の日本を見ると、どんどん内向きで、且つ中小企業に成り下がっていると仕事をしていて感じることが多くなった。
東洋経済新聞の見出しで以下のような記事があった。
日本人は「失われた30年」の本質をわかってない
日本は失われた40年を歩むことになるのか
原因と責任を突き止め変えねば低迷はまだ続く
怖い見出しである。この記事では「政権がやってきたことを簡単に総括すると、景気が落ち込んだときには財政出動によって意図的に景気を引き上げてリスクを回避し、その反面で膨らむ一方の財政赤字を埋めるために消費税率を引き上げ、再び景気を悪化させる……。そんな政治の繰り返しだったと言っていい。」と総括している。
ちょっと違う視点から考えてみる
いろんな考え方はあると思うが、自分の毎日の身近な仕事付き合いをしていて感じるのは、そんな大きな話でなくて、日経225社のような上場企業が中小の仕事を奪っているからだと思う。
バブルと呼ばれた80年代は、中小がチャンスを作って大企業になりたい気持ち満々の時代だった気がする。
海外に目を向け、新しい物を開発し、お金を使っても直ぐに戻ってくるからまた投資をする「上昇スパイラル」気分をみんな持っていたように思う。
それはそれでいい時代だったと感じるし、物価も現在と変わらない生活状況だった。
バブルとは何だったのかと?「時間による賃金対価」に対して「無形による賃金対価」が大きな比率になり、最後はバランスを崩したことだ。
「無形による賃金対価」は株投資や不動産投資や物理的に形がないもので、不動産は形は確かにあるが不動産価値に対して、売りたい人間の希望的価値をプラスしてしまい、実体のない数字だけが積み重なることを指す。
実力がないのに過大評価し、形のない価値をお金で評価し、結果実体価値がないのに価値があるように思いこむ。
無形商売でない、例えばスーパーマーケット、お魚屋さん、町の商店街、生産工場など、モノを扱った業界は大打撃になると想像していなかった。それは皆お金を使ってから消費的に心配はなかった。
それでも続く「失われた30年」....
話は少しそれたが、そんな時代が崩れた時インターネットが普及してきた。1996年位かな
大企業は存続を保持するために、本来やってこなかった中小下請けの仕事を内部で処理するようになり、下請け企業は足切りされた。
本来は研究や海外進出や社会貢献や新しいモノづくりに向かっていたものが、内向きに変わった瞬間である。
中小の仕事世界に降りてきた大企業
2022年現在を見てみるといかに大企業が内向き中小に成り下がったのかがわかる。
従来、大手が絶対に眼を向けなかった中小個人がやる筈の仕事世界である。
例えばNTTは回線業者であり、KDDIと共に通信事業者1種を持っている、日本を代表する回線独占卸会社でもある。
プロバイダー業、サーバー業、携帯電話業、すべて根本はインフラ整備事業のはずなのに、回線を他社に卸しながら同じ業界に直で殴りこむ。
B to Cと称してユーザー直売りをして、中間マージンを減らす経営者が「凄い人」と崇められる。
これではNTTに中小は原価で太刀打ちできる筈はない。利益率が全然違うのだ。
政府による中小企業への研究開発支援もすくなく、高齢者の独立起業を推し進めるが、新規事業を立ち上げても銀行口座も断られる。
起業後進国と呼ばれ続けてこのまま飲み込まれるのだろうか。